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ちょっといい話
高松南ロータリークラブ・ロータリー情報委員会(2001-02)より、小耳に はさんだ いい話をご紹介します。

■第50回 稚児地蔵(最終回) -クラブ週報 7月3日号-
イメージ 小さな御縁がきっかけで、京都の仏師・堀部幸男さん御夫妻が大間々にお越しになりました。
 堀部さんは、10歳でお父さんを亡くし、中学卒業と同時に、自動車販売会社に勤めて一家を支えました。長年の夢だった彫刻の道に進んだのは26歳になってからでした。日本を代表する仏師・松久朋琳(まつひさほうりん)先生のもとで修行を始め、夜は現代彫刻を学び、帰宅後はアルバイトで仏像を彫り、睡眠時間が4〜5時間という生活を続けて8年後に独立しました。
 わき目もふらず仕事にのめり込んでいた堀部さんの心の眼を開いてくれたのは息子さんの大介君の存在だったそうです。大介君は3歳の時、自閉症と診断されました。成長と共に周囲に迷惑をかけてしまったり、誤解を受けたりで御夫婦は謝りどおしの毎日でした。昼間の介護に疲れ果て、夜になると大介君の寝顔を見ながら「どうか朝が来ませんように」と祈ったことが何度もあったそうです。
 一家の苦しみがピークに達した時、堀部さんは「夫として、父として、家族の苦しみを救ってあげられない無力感を感じ、大いなる存在に祈ることしかできなかった。自分が祈る側に立った時、初めて仏様に祈る人のことが思えたのかも知れません…」と。堀部さんが深くそう感じた時に無心で彫った観世音菩薩像を見て奥様は思わず手を合わせだそうです。そして、見に来て下さった方々も「仏様を見て涙を流したのは初めてです」と手を合わせました。
 今、堀部さんは稚児地蔵という掌に乗るくらいの仏様も彫っています。ハスの花びらの上で無邪気にほほ笑む小さな仏様を見ると、私達の大きな不安や苦しみが救われるような気がします。

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