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ちょっといい話
高松南ロータリークラブ・ロータリー情報委員会(2001-02)より、小耳に はさんだ いい話をご紹介します。

■第10回 さよならのあとに

-クラブ週報 9月19日号-
 9月24日、熊本県の大野勝彦さんが星野富弘さんに逢う為に一泊でお越しになりました。

5町歩の田畑にハウスの野菜を栽培していた大野さんは平成元年、農作業のトラクターに手を挟まれ両手を切断してしまいました。
何の前ぶれもなく始まった手なしの生活に幸せが音を立てて崩れて行くのを感じたそうです。その時大野さんが一番心を痛めたのは3人の子供たちのことでした。大野さんは奥さんと相談して「子供たちが病室に来たら楽しい話だけをしよう」と決めました。子供たちが来ると部屋の中は笑い声でいっぱいになりました。子供たちが帰り病室に元の静けさが戻ると「子供たちは、俺の両手切断のことでショックを受けていないようだ」と安心したそうです。
でも、お見舞いに来た近所のおばさんが「勝彦さんの長男の隆君は、毎日夕方になると玄関の前に座って頭をかかえこんで、暗くなっても何時間も動かない。いじらしくてかわいそう」と涙声で教えてくれました。
子供たちは病院に行く道すがら「お父さんのところへ行ったら楽しい話だけをしよう」と話し合っていたのです。大野さんはその時、家族の優しさに胸いっぱいの幸せを感じたそうです。
星野富弘さんの『わたしは傷をもっている。でも、その傷のところからあなたの優しさがしみてくる』という詩画に深く感動した大野さんは今、義手で筆を持ち素敵な絵や詩を書いて多くの人に生きる勇気と優しさを与えてくれています。大野さんの名刺の裏には『しあわせは気付いた時から始まる。本当はしあわせなんだけどさよならのあとに気付くの』と書いてありました。

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